今日もほんわか

心と体のほんわか手当てをしています。

日常やケアを通して感じることを綴るブログです。

皆さまがご自分らしい元気で満ちますように。

堤 文子



近頃は、プラグを刺さずに置くだけで充電できる電気製品が増えました。

スマホ、時計、美容機器…。

抜き差しがない分、差し口やコードが壊れるリスクはなくなります。

それにしても、

「なんで!?不思議〜。」

「機械や体に悪い影響はないのかな?」

とか思ったことはありませんか?


ワイヤレス充電には、「電磁誘導」という仕組みが働いています。

電流は磁界を生み、磁界は電流を作る・・・理科で習ったご記憶は?

そんな分野のプロもおられましょうが、ざっくり説明すると~

充電パッドに電気が流れると、パッド内のコイルによって磁界が発生します。

充電したい機器をその磁界の中に置くと、機器の方のコイルも磁界に反応して電流が発生します。

その電力をバッテリーに蓄えるという訳です。



手当てにも、少なからずこの「電磁誘導」のような仕組みが働いているのではと思っています。

私たちの体には、「生体電流」という微弱な電流が流れているそうです。

術者の手は電流による磁界をまとっている訳で、その手をかざしたり触れたりすることで、ケアを受ける人にも磁界が影響し電流が生じる。

となると、細胞内の活動や連携が変化するはずです。

さらに圧や熱や振動などダイレクトに伝わる刺激も相まって、体や心が変化していく、変化を感じるのだと思います。


気功の達人を測定して、今の科学でどれくらい数値に表せるのか分かりませんが、私たちの感覚や命の仕組みは測定機器を超えていますからね。



どんな方の手も、充電パッドのような力があります。

置くだけ充電、ふれあい充電。

人の手って凄いですね。


注意)どう性能を開発して、どう使えばより安全かというところは、取扱い上の注意が必要なこともあります。

それも、充電パッドと同じです。

前回、巨峰の袋がけをした話を書きました。


果物は、品質を良くするために、つき過ぎた実を摘んで数を少なく絞って育てます。

摘果(てきか)と言うそうです。

本格的な作業は素人判断では難しいので、袋がけする前にだいたい一枝一房にしてくれているのですが、落としそこなった房が時々残っています。

袋をかけるときにそれを見つけると、良く育ちそうな方を残して、他を切って落とします。


袋がけの手伝いに行くようになって5~6年?もっと経つでしょうか。

行く度に気になるのが、その摘果(てきか)を捨ててしまうもったいなさ。

摘果メロンのお漬物や青パパイヤの料理はメジャーですが、摘果巨峰の活用はあまり聞かないようです。

酸っぱいし渋いし、手がかかるんですよね。

当の農家さんたちは一番忙しい時期なので、摘果のその後どころではないでしょう。

そこで、外野に出来ることはないかなぁと、ここ3年程実験料理をしています。


砂糖漬け、醤油漬け、オイル漬けなど・・・漬ける系はあまりパッとせず。


使えそうなのは、絞り汁。

ヨーロッパの方ではアグリーダと言って、レモン汁のような使い方をするようです。

実をバラシて綺麗に洗い、フードプロセッサーで粗く潰し、ガーゼで漉して搾ります。

発酵止めと殺菌のために加熱して冷蔵庫保存してみたところ、1年経っても大丈夫でした。

旨みは少し増しているかもしれません。

去年はこのアグリーダで粒マスタードを作ったところ大好評!

今のところこれが1番かなと思います。


今年は砂糖煮でシロップを作ってみたりして・・・。

試行錯誤は続きます。

といっても、続きはまた来年になりますが。

今年も姉夫婦のお手伝い、巨峰の袋がけに行ってきました。

例年より少し育ちがゆっくりなようです。

身内贔屓ではありませんが、姉のところの畑はとても美味しい巨峰が出来ます。

今年もありがとう!とよろしく!を込めて作業しました。


驚いたのは、写真の木。

かなり古木らしく、病気で幹の半分を削ったそうです。

切り倒そうかとも話したようなのですが、愛着もあるし毎年美味しい実をつけてくれるので、残して様子を見ていたところ、沢山の房が下がっていました。

更に、枝からは新しい芽がニョキニョキと!

立っているのも痛々しいくらいなのに、生きよう、生きようとしているのですね。

ものすごい生命力です。

幹にぎゅ~っとハグをしていたら、ジーンとしました。

ご縁があった介護の先生から、除圧(じょあつ)について教わりました。

除圧とは、圧を逃すこと、高まった圧を解除すること。

寝たきりのような状態で体の同じところに圧が加わり続けると、血流が滞り、褥瘡(じょくそう)=床ずれになってしまいます。

快適に過ごすためにも褥瘡予防のためにも、体位を変えたりクッションを入れたり色々なケアが行われますが、その最後の除圧がとても大切なのだそうです。


体の下に手を入れて下の方へサーっとさすり流す。

ただそれだけで、体圧が分散して楽になるそうです。



私も3月の手術でほんの一時期でしたが、自分で体勢が変えられない辛さを経験しました。

枕や布団に体がめり込むような痛み。

これが長く続くと、血行が悪くなって褥瘡(じょくそう)になるのかとボンヤリ考えました。

ベッドを起こしてもらったらもらったで、体がズリ落ちて偏った負担がかかります。

普通の圧迫にズレが加わると、褥瘡発生のリスクは3~4倍になるのだとか。

私はモゾモゾしながら気を流してやり過ごしましたが、あのモゾモゾに除圧効果があったのだと後から合点がいきました。



お陰で施術にも活かせています。

私の施術はうつ伏せからスタートして、場合によって横向き、それから仰向けでのケアをします。

仰向けになっていただくとき、スムーズに動ける方もそうでない方もおられます。

ベッドに対して多少斜めなのは私が加減すればいいのですが、体がくの字になったり服が体の下でシワシワに寄っていたりするときは、足を少し持ち上げてズボンを引っ張ったりして修正をします。

そうしてから仰向けでのケアに入ると、気持ち良く受けていただけるし、施術者側としてもスッキリ行えます。

服シワシワで体にかかる圧を、被服圧というそうです。

理屈を知らずにやっていたことが除圧になっていたようです。

知ってからは、意識的に行うようにしています。

読めますか?

「らっきょう」です。

辛辣(しんらつ)な韮(にら)、こんな風に書くとは知りませんでした。

「乱京」と書くこともあるようですね。

ヒガンバナ科ネギ属の多年草。

私たちが食べているのは、地下茎の部分にあたるそうです。


血行促進

疲労回復

殺菌作用

コレステロール値を下げる

高血圧やむくみ予防

食物繊維も豊富で便秘予防にも効果的

アンチエイジング効果

免疫力アップ


すばらしい食材ですねぇ。



我が家では2~3年に1度らっきょうを漬けます。

在庫切れが間近になったため、

「今年は漬ける!!」

と言う母に付き合って、昨日かららっきょう臭まみれです。

古漬けのらっきょうを取り出して、酢を濾して、瓶を洗って。

家中すごい臭いです。


今日は、買ってきた泥付き生らっきょうの下処理。

洗いながら根と伸びた茎を切って、薄皮を剥いて。

お昼から夜にかけて4kg分を作業したので、草臥れました。


ちなみに我が家は、古漬けの酢を沸かしてお酢・砂糖・塩などを加えて今年の漬け汁にします。

豚骨ラーメンのスープでいう「呼び戻し」製法のようなもの(?)

その方が旨みが引き継がれて、良い感じに漬かります。



手はかかりますが、やっぱり家の味はいいものですね。

これで当面、カレーのお供は安泰です。

音楽の聴き方が変化してきた影響で、この頃はイントロ(前奏)無しや短い曲が増えたそうです。

スワップされる前にキャッチ―なところまで聴かせたいらしい。

歌から始まる曲も良いですが、やっぱり素敵なイントロにはワクワクしますね。

イントロ次第で、歌の沁み方も変わってきます。


少し前になりますが、音楽番組のイントロ特集で「2段階イントロ」について取り上げていました。

歌前のイントロが2種類、2段構えになっているものがあって、魅力を増しているという話。

確かにそういう曲ってありますね。

控えめなイントロが一回しあって、また別のイントロがあって、それから歌が始まるみたいな。


食いしん坊な私は、博多の専門店で食べる水炊きを思い出していました。

具材を煮る前にスープだけ湯呑についでいただいて、小ネギやお塩を少し足していただいて、それから具材を煮て鍋が始まるみたいな。

あのスープはまさにイントロではないですか。

家で鍋をするときはいきなり具沢山ドーンですから、初めて専門店に行ったときは驚きました。



人のアドバイスでも波状攻撃の効果ってありますね。


子どもの頃の想い出ですが・・・。

私はお箸の持ち方が変で、母に注意されてもされても直りませんでした。

持ち方はどうでも、使えているのだから別に困らないし。

幼稚園か小学校低学年だったと思うのですが、父の知り合いのお宅でご飯をいただいたことがありました。

その奥さまに

「あら、文ちゃんはお箸の持ち方が変ね。」

と言われました。

ただ一言、叱るでも笑うでもなく、優しくニュートラルな言い方だったのですが、何故かとても恥ずかしくなったのを覚えています。

その日から練習して、正しい持ち方をするようになりました。

母は、自分が何度言ってもダメだったのにと少し不服そうでもありましたが、結果が良くなるのなら何でもいいと喜んだように思います。

母のイントロがあってこそ、他所での出来事が沁みたのですから、母に感謝です。


アドバイスする側からすると、自分が関わった目の前で結果が見れるのは嬉しいですが、そういかないこともある訳で。

そんな時の自分はイントロみたいなもの。

歌に託した先のいつかどこかで花開いてくれたら喜ばしいことだなと思います。

水炊きの〆の雑炊の美味しさは、イントロから育てられてきたスープがあってこそ。

ケアを受けながらウトウトしていらっしゃる方の体が、無意識に動くことがあります。

入眠時特有のピクっもありますが、手や足を伸ばしたりねじったり、手を振ったり払いのけるような動きだったり。

要らないものを排出したり、バランスをとったりする、自動調整の運動だろうと思います。


そんな動きを見ながら、先日ふと、自閉症に特徴的な動きを連想しました。

体を揺らしたり歩き回ったり飛び跳ねたり、音を発したり言葉を繰り返したり、指を動かしたり…。

スティミング(自己刺激行動、常同行動)というそうです。

繰り返して行うことで、感覚や感情的環境を調整していると考えられています。

感覚にインプットを与えることで、ストレスや不安を軽減し、不快を発散したりエネルギーを放出したり、逆にエネルギーを呼び起こしたり感覚を冴えさせたり、バランスを保つ色々な効用があるのでしょう。


発達障害にかかわらず、スティミングは起こります。

貧乏ゆすり、ペン回し、爪を噛んだり、髪の毛をクルクルしたり、手遊びしたり。

心当たりはありませんか?

誰もが自覚なくやっていることにも、スティミング的な面があるのかもしれませんね。

それをしていると落ち着くとか、アイディアがひらめくとか、退屈だとやってしまう癖とか。

個人的には、ウォーミングアップのルーチンにも、これに通じるものを感じます。


昭和の子ども時代は「お行儀が悪い」と止められましたが、今は無理に止めなくてもいいという見方もあるようです。

ただ、他人や自分を傷つけないことや、行為自体を楽しんで集中力を欠いてしまわないようになど、注意は必要です。



ケア中の運動は、必要な調整が済むとスッと終わります。

あの無意識の動きは、ご自身のものか昔の癖の現れか、はたまた前世の癖や守護霊さんの癖だったかも…なんてボンヤリ妄想しました。

昔なぜあんなことをしていたんだろう、時々出るこれは何だろうとか考えてみると、もしかしたら自分や大切な方を受け入れる手掛かりになるかもしれませんね。


意識的にプラプラしたり反復行動をするのも、ストレス発散に良いと思います。

参考過去記事 『「イヤイヤ」体操』

この頃自分の写真を見て、姿勢が悪いなぁと反省。

顎が落ちて、背中が丸まって、肩が上がって、亀さんのように首が埋もれて…。

無意識のうちに首の傷をかばっているせいもあるのでしょうが、スマホの使い過ぎと我が身のケア不足ですねぇ。


クライアントさんのケアをしていても、時々「亀さん」に出会います。

運動不足とか加齢とか姿勢とかストレートネックが〜とか、肉体的な原因はもちろんあるかと思います。

でも体の問題だけではなく、心配や恐怖のようなものを抱えていらっしゃるのでは?と伝わってくることがあります。

甲羅の中に首が逃げ込んだ状態、それでも頑張って身を固くしている状態を「亀さん」と感じてしまいます。



感情が体を歪めるなら、体が心を救うこともあるはず。


埋もれ首解消の体操などいかがでしょうか。

色々なアプローチがありましょうが、例えば今日は、腕をねじる体操など。


足を肩幅くらいに開いて立ちます。

両腕を真横に伸ばして、左右逆方向に捻ります。

右手のひらは小指の方へ、左手のひらは親指の方へ回転させる、といった風です。

そしてその反対向きに…と交互に回します。

これを20〜30回程。

最初は手首から回る感じですが、たんだん動いてきたら肘まで、そして肩まで、胸や腰が連動するように全身使って動いてみてください。

息を詰めずに、しっかり呼吸しながら。



動きに集中している間は、悩みを忘れます。

体がほぐれると、心もほんわかなります。

縮こまった亀さんの首がスッキリ伸びて、物事も好転すると良いですね。

リハビリ経験のある方、ご家族がなさっている方もいらっしゃると思います。

「リハビリテーション」はラテン語の「re(再び) - habilis(適した)」から来ているそうです。

リハビリというと、病気やケガによってダメージを受けた身体を訓練して、日常生活が送れるようにであったり、社会復帰を目指したりというイメージがあります。

でも、元々は

リハビリテーションとは何らかの原因によって人間らしく社会生活をできなくなった人がその人が培った名誉を取り戻し、再び人間らしく生きる権利を回復することを意味する言葉なのです。
(熊本保健科学大学ホームページより)

だそうです。

単に身体を戻すだけではなく、心の状態も、社会生活における周囲との関係性も大切なのですね。

また、日常生活が送れることにプラスして、仕事に直結する特殊な能力や趣味や暮らしを豊かにする機能を取り戻せるかどうかは、QOL(人生の質)を大きく左右すると思います。



かくいう私も歌声リハビリ中です。

(3月に甲状腺全摘の『手術を受けました』

有難いことに、日常生活で喋るには不自由ありません。

手術創は強く押さえない限り痛みもなくなりましたし、首もほとんど制限なく動かせるようになりました。

でもまだ、高い声や強い声は出にくい状態です。


術後約2週間で退院したときには、傷口は繋がっているものの、首の中は修復されきっていない感じでした。

術後1ヶ月くらいすると、傷口近くの内側が時々ジクジクッと痛むようになりました。

癒着していた皮膚が独立して動き始めたのかなという感覚。

術後2ヶ月近くなり、このところ喉ぼとけに圧迫感を感じることが増えています。

手術後は頚部の筋肉の癒着などで喉ぼとけに可動制限が生じるらしく、それがほどけ始めたから感じる違和感なのかなと思っています。

病院ではリハビリ指導やアドバイスしてくださる療法士さんもいらっしゃらないので、解釈もリハビリも我流で直感頼りです。



「回復」には人それぞれ、数ヶ月か数年かそれとも・・・。

歌えるようになるのか、気が重くなることもあります。

リハビリで機能を「回復」するというより、子どもが歌を覚えるように、新しい能力を「獲得」していくと思った方が楽しいかもしれませんね。

ケガから復帰していかれるプロアスリートって、本当に凄いなぁと感じる今日この頃です。

この頃、反省したことがありました。

ケアのクライアントさんとではない、日常の場面でのこと。

理不尽な人間関係に悩む女性の話を聴きながら、

「そっか~。うん。わかった。受け取った。」

と答えていたら、

「受け取って欲しくなんかない。最後まで一緒に怒って欲しい。」

と言われました。

私としては受容と承認の最大限のつもりだったのですが。


あなたが言っていることも、あなたの大変さもわかった。

あなたが頑張っていることも見ているよ。

あなたの怒りを私の怒りとして同調はしないけれど、あなたの気持ちは聴くよ。


そんなスタンスは、この人には通じないのか~と思いました。

でも、日が経ってみて思い返すと、私の中に「早く話を打ち切ろう」とする気持ちもあったのでしょうね。

彼女にしてみればスカされた感じで、モヤモヤさせてしまったのかもしれません。



やり場のない気持ちを誰かに話して共有してもらうと、楽になることがあります。

私も、いろんな人に話を聴いてもらって救われています。

ありがたいです。

でもほとんどの場合が、解決策やアドバイスを求めている訳ではない気がします。

話しているうちに自分で自分の気持ちに整理をつけて、答えを出していく。

すぐに解消できることもあるし、長い時間と過程が必要なことも、解決しようのないこともあります。


今はこうやって書くことで、頭の中を整理しています。

事情や関係性によりますが、当事者でもないのに一緒になって怒って文句を言うのはどうかと思うんですよね。

怒りに餌を与えることになりかねない。

しかも、一緒に怒ってしまうとそれは私のことになって、解決しようと動き始めずには居られなくなるんだよなぁ。


相手が求めているものと、私のタイプの不一致と言ってしまえばそれまでですが。

悩みや愚痴を聴くって、難しいですねぇ。

何を載せようかとフリー写真素材サイトで「女子会 カフェ 傾聴」と検索したら、1番にこの写真をすすめられて笑いました。

ディズニー・アニメに出てくるケアロボット、ベイマックス。

ふわふわで優しくて戦闘意識はゼロ、傷ついた人の心とカラダを守ることをプログラムされています。


あったか〜い友人がいます。

彼女が前に体調を崩してレントゲンを撮ったとき、

「自分のレントゲン画像のシルエットがベイマックスのようだった。」

と、笑いながら話してくれたことがありました。

以来、彼女は私のベイマックスになりました。

私が手術することを知ったときも、優しく励まして送り出してくれました。


今回入院したとき、病院まで姉に車で送ってもらったのですが、駐車場で姉が停めた目の前の車のフロントミラーにベイマックスのマスコットが下がっていました。

その友人が応援してくれている気がして勇気が湧きました。

気持ちって、そんな形を借りて伝わるものですね。



何かを見て元気や勇気が出たり、何かを思いとどまったり、ひらめいたり…。

偶然をよそおって、何かの形を借りたりして、私たちの周りは誰かからの応援やヒントに満ちている気がします。

入院前、手術を経験したことがある方から、

「3日頑張って!3日我慢すれば楽になるからね。」

と聴いていました。

言われた通り本当に、3日過ぎた頃から随分楽になりました。

とはいえ、寝返りもうてない、寝起きも頭を手で支えつつ。

上を向けないので、飲みものはストローで、うがいも目薬も厳しい。

今回私は首でしたが、動かせなくなって初めて、こんなに使って暮らしているのだなぁと実感するものですね。

でも、日に日に出来ることが増えていくのは楽しみでした。


動けるようになってからは「お散歩の勧め」が処方され、体力づくりのためせっせと歩きました。

病院食はローカロリーながらとても美味しくて、こんなに食材何もかもが高騰している中、スタッフの皆さんのご尽力に頭が下がりました。

きちんと食べて、運動して、瞑想して、メンテナンスして…、自分の回復だけに専念する日々はまさにリトリート。

有り難い環境でした。


お陰さまでほぼ見込み通り退院でき、その後もおおむね順調です。

退院数日後、点滴痕が突然内出血して血管痛を起こしたりしたので、動き過ぎないように目印だなと思って気をつけています。



それにしても、切羽詰まった状況にあると、普段経験しないことや気付かないミラクルに遭遇します。


前回書いたセルフケアも、普段なら自分には発動しないレベルでパワーを発揮しました。


術後4~5日目のこと。

自宅から、父の風邪がぶり返していよいよ介護状態に入ったとの連絡がありました。

こんなに痛くて動けないのに、退院して介護をしながら仕事なんか出来るのか…。

不安で苦しくなっていたら、なんと同室の方が介護の学校の先生で、ご主人は我が家の近くでケアマネジャーをなさっているという奇跡!

「大丈夫、大丈夫〜。いろんな制度があるんだから、心配しなくていいですよー。」

と仰っていただいて、本当に救われました。

このご縁、退院してから父や家のことで、お世話になることになります。


一番驚かされたのは、入院のこの機会にスマホのデータ整理でもしようかとしたとき。

写真データを開くと、バンドでも病院勤めでもお世話になり、一昨年脳腫瘍で亡くなった先生の写真が突然ポンと上がってきました。

録音データを古い方から…と思って遡っていくと、5年前に胃ガンで亡くなったケアの師匠の講義録音に行きつきました。

お2人の存在と応援を強く感じて、

「ガンのその先を生きて楽しんでおいで。」

と言われているようで涙が出ました。


世界は繋がっているのだな、必要な縁にはちゃんと恵まれるのだな、心配しなくていいんだなと、ありありと感じました。



今回で手術シリーズは終わりです。

ブログへのお付き合いも、お見舞いや退院祝いのお言葉や頂きものも、本当に本当にありがとうございました。

病気は、

「あなたが大切。大好き。ありがとう。」

を表現し合える機会でもあるのですね。


入院中も、退院後環境を変え整えたケア部屋を見渡してみても、

「あの方に頂いた◯◯」

「あの方の教えの◯◯」

「お見舞いで買わせて頂いた◯◯」

そんなことばかりで、私はみんなで出来ているのだなぁとつくづく思います。

私もこうして誰かの一部になって、助けや支えになれているだろうか。

なっていけたら嬉しいです。


病気に限らず、出遭うことも過ごし方も皆さんそれぞれでしょう。

お話できるのはアドバイスではなく経験談でしかない気がします。

簡単にいかないことも辛い結果も時間が必要なこともいろいろあるけれど、振り返ってみて

「ご褒美に溢れているなぁ。」

と思えたら素敵だなと願います。


感謝をこめて。