肺の動き
普段どうやって呼吸しているかなど、あまり考えませんね。
実は、肺には自力で膨らむ力はありません。
どんな風に動いているかを知ると、楽な呼吸、良い呼吸のヒントになりそうです。
肺は、胸骨・肋骨・胸椎(背骨の一部の12個)で囲まれた胸郭というカゴ型の骨組みの中にあります。
胸郭には様々な筋肉が付いていて、下面は横隔膜でお腹と仕切られています。
この胸の空間=胸腔を拡げたり縮めたりする筋肉の動きが、呼吸のカギになります。
息を吸うときは、横隔膜や肋間筋が胸腔を拡げます。
閉じた空間が拡がるとそこの圧力は低くなる(陰圧)ので、肺は周りに引っ張られて膨らみます。
そうして空気が入ってくる仕組みです。
息を吐くときは、肺自身が元に戻ろうとして縮む力で空気を吐きます。
自然に吐くときはあまり使っていませんが、胸腔を縮める役目の筋肉もあります。
胸やお腹をグッと絞ると、吐いた後でも更に吐き出すことができますね。
このように、肺の動きは受動的なのです。
という訳で、良い呼吸のためには、胸郭の動きを良くしたい。
呼吸しながら、肩を上げ下げしたり、背中を丸めたり胸を張ったり、上半身を左右に倒したりねじったりすると、呼吸に関係する筋肉のストレッチになるので、息がしやすくなるのがわかります。
肋骨の間や胸の骨の継ぎ目に指を当てたり擦ったりするのも、とても良いケアになります。
また、私がときどきするのは、普通に息を吸ったあと更にまた吸って止めて、グッと胸腔に圧をかけてみること。
胸の骨の継ぎ目がミシミシっと動き始めるような感覚があります。
これは、膨らませた風船を揉むパターンです。
少し上級になると、息を吸わずに胸腔を拡げて、陰圧で刺激してみること。
こっちは膨らませる前の風船を揉む感じなのですが、出来る方いらっしゃるでしょうか?
こんなことをやってみると、息が深く楽に入るようになります。
風船を揉んで柔らかくすると、楽に膨らむのと同じです。
歳を重ねたり、寒さだったりで、
「肋骨の間が痛くて・・・・。」
という声を、このところ続けて聴きました。
呼吸が浅くなりがちな季節、ちょっとしたケアで取り戻せるものもあります。
肺の動きに少し意識を向けて見られるのはいかがでしょうか。
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