AVA血管と体温調節
AVA血管=動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう)をご存知ですか?
耳にするようになったのはここ数年のような気がします。
通常、心臓から送り出された血液は動脈を通って毛細血管に入り、細胞へ栄養と酸素を届け、二酸化炭素と老廃物を受け取り、毛細血管から静脈へ入って心臓へ戻ります。
ところが毛細血管を介さずに、動脈と静脈を直接つなぐ血管があるのだそうです。
それが、AVA血管。
手のひら、足の裏や指、頬などに多くあります。
太さは毛細血管の約10倍、血流量は1万倍もあり、体温調節に役立っています。
暑いときはAVA血管が拡張して血流を増やし、体内の熱を外へ発散します。
寒いときは収縮して血流を絞り、命に直結する体幹の熱が逃げないようにします。
そのため、血流量の減った末端の手足は冷えてしまう訳です。
とてもとても暑かった昨年の夏、さかんに
「熱中症対策には、ペットボトルを握って手のひらを冷やすと良い。」
など報道されていました。
暑さでAVA血管が拡張して血流量が増えている手のひらを冷やし、冷えた血液を体の中へ戻してやることで、効果的に体温を下げようというのです。
保冷剤を握ったり、手や足を水に浸けても良いのですが、あまり冷たすぎると逆にAVA血管が収縮してしまうので、15℃くらいが良いそうです。
では、寒いときは手のひらを温めれば効果的でしょうか?
手袋をしたり、カイロやホットドリンクの容器を握ったり・・・。
あたたかくはありますが、末端を温めてもなかなか劇的な冷え解消とはいかないですね。
熱中症対策とは少し事情が違うようです。
AVA血管の拡張収縮は環境温度によりますし、体の表面積や皮下脂肪などによる個人差もあるのだそうです。
確かに、冷えの感じやすさや辛さは人それぞれですね。
共通して言えるのは、AVA血管の収縮(=冷え)を避けるのに効果的なのは、首や顔を冷やさないようにすること。
首や顔には冷えセンサーが多いので、マフラーやタートルネックの服やマスクなどで温めると、AVA血管が開いて血流が増し、末端が温まります。
確かに、手袋はなくてもタートルは手放せないと思う今日この頃。
寒波到来で、雪が続きそうです。
事故などないようご無事で、首元を暖かくしてお過ごしください。
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