粒
20代の頃、友人と夜通し喋って朝になってしまったことがあります。
冷たい空気の中、山の端を超えて朝日が射してきて、あまりに清々しかったので手をかざしてみました。
手の平のじんわりした暖かさの中に、パラパラと粒が当たるような感覚がありました。
粒なんて分かるはずはないのですが、直感というやつでしょう。
あぁ、光って粒で出来ているんだなぁ。
私もこういう粒で出来ているんだなぁ。
そんなことを感じて、そのまま今に至ります。
人も動物も植物も鉱物も土も水も空気も人工のものも、どんどん分割していくと、水素や酸素などのような原子になります。
その原子の構造をもっと見てみると、原子核の周りを電子が回っていて、原子核は陽子と中性子に分かれます。
陽子や中性子を更に分割してみると、素粒子になるのだそうです。
光子(光の粒子)や電子も素粒子。
今の人類の研究がたどり着いている一番小さな粒です。
これまでに見つかった素粒子は17種類で、人類に見えている宇宙はその17種類の素粒子からほとんどできているのだとか。
原子の直径はおよそ1億分の1cmで、原子核を1円玉に例えると、電子は東京ドームくらい遥か遠く離れたところにあるそうです。
つまり、硬いとかぷにぷにとかミッチミチだと思って触れているものも、実は全部スッカスカなのかも。
参考過去記事 『固体もほんとはスカスカだろう話』https://honwaka.theblog.me/posts/43207657
それにしても、昭和で習った理科や物理からは随分変わってきているのですね。
原子の構造は惑星みたいに回っていないかもとか、粒といってもひもか輪ゴムのようなものが分かれたりくっついたり振動しているかもとか、研究が進んでいるようです。
素粒子17種類の標準理論で説明がつくのは、宇宙の5%くらいなんて話もありました。
詳しいことはノーベル賞クラスの研究者にお願いするとして。
私のは概念的でしかないのですが・・・
ほんの数種類の粒がスカスカ構造で組み合わさって全てが出来ているのならば、本当は、あなたとわたしと様々のモノには、境界と呼べる程明確な線引きなどないのではないかと思えてくるのです。
同じ成分を共有したり交換したりしながら、お互いを保って生きている。
そんな風に考えると、無下に他人にキツくあたったり攻撃したりできなくなる気がします。
世界が互いに優しくなれるといいな。
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