日本植物学の父・牧野富太郎先生
4月から、日本植物学の父・牧野富太郎先生をモデルにしたNHK連続テレビ小説『らんまん』が始まります。
高知出身の牧野先生は、94歳で亡くなるまで日本全国をまわり、40万枚もの膨大な標本集めたそうです。
新種や新品種など1500種類以上の植物を命名し、日本の植物分類学の基礎を築いたお一人です。
もう20年くらい前になりますが、出張で高知へ行きました。
高知といえば、幕末など歴史好きな方には堪らないところでしょう。
仕事先でお世話になった方は、後に有名な街ブラ番組で高知回の案内役をされた程の大変な歴史研究家。
なのに私ときたら、恥ずかしながらとんと歴史に無知で興味がなく、空き時間の観光に、
「〇〇が★★した□□はどうですか?」
「じゃぁ、△△が※※したところとか?」
「じゃぁ〜、××の**したところ…?」
と様々ご提案いただくのですが、どれもピンと来ないのです。
困らせた挙句、
「う〜〜〜ん、じゃぁ、植物とか建築は?良い植物園がありますよ。」
という言葉に、
「それ!そこ行ってきます!」
となったのが、牧野植物園でした。
牧野先生の業績を顕彰するためにつくられた県立の植物園で、それはそれは素敵なところです。
起伏を活かした庭園と植物たちはもちろん、建築も展示も見ごたえがありました。
園内を周っている間中、ここはぜひまたゆっくりと訪れたいと強く感じていました。
展示スペースには直筆のデッサンもたくさんあり、その精密な美しさにはため息が出る程。
美術品のようで、植物の神秘にうっとりしていたら、牧野先生の厳しい言葉が飛び込んで来ました。
「神がいると思うな。」
というようなもので、え?なぜ?と混乱し、そのメッセージとしばらく向き合ったのが1番の想い出です。
検索してみると、牧野先生が植物学を志すにあたって、18〜20歳の若さで書き記した『赭鞭一撻(しゃべんいったつ)』という15の心得の最後の一つだったようです。
十五、造物主あるを信ずるなかれ
━神を信じてはいけない━
神様は存在しないと思いなさい。学問の目標である真理の探究にとって、神様がいると思うことは、自然界の未だ分からないことを、神の偉大なる摂理であると考えて済ますことにつながります。それは、真理への道をふさぐことです。自分の知識の無さを覆い隠す恥しいことです。
フワッとした神秘に逃げることなく、真摯に真理の探究に努めなさい…と。
身が引き締まります。
来週からのドラマにも出てくるでしょうか?
どんな風に描かれていくのか、楽しみです。
亡くなった妻を偲んでその名を付けた新種の笹「スエコザサ」
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