行動医学療法

私のケアの師匠、古園井重敏[こぞのい しげとし]先生が昨年4月1日に亡くなられました。

享年73歳、ご病気が見つかってから約1年の早すぎる旅立ちでした。

一周忌にあたり、先生とのご縁と、先生からご指導を受けたことについて書いてみたいと思います。

少し難しい話もありますが、お付き合いいただけたら嬉しいです。


12年ほど前、私は、先生が福岡県八女市でなさっていた整骨院を患者として訪れました。

風邪からの酷い咳で背中を傷め、知人に紹介していただいたのがきっかけでした。

当時私はスキンケア・サプリメントなどを扱いながらエステもしていて、美容レベルではないもっと深いケアができれば…、どこかに学びの場はないだろうか…と願っていました。

診察室に入って先生を一目見るなり、「あっ!師匠がいた!!」と直感しました。

その日先生に伺った話がどれもこれも思ってきたこと求めていたことそのもので、本当に信用して良いものか、疑い深い私は帰ってあれこれ調べたものです。

そこから先生の元で『SMC行動医学療法』を学ぶようになり、途中からは週に数日整骨院で仕事をさせていただきながら先生の治療を間近に見てきました。

そうして、古園井先生の教えと野口整体やエステの手技などを自分なりに融合させたケアをするようになり、今があります。



国際行動医学会憲章(1990)によると、

「行動医学(Behavioral Medicine)は、健康と疾病に関する心理社会科学的、行動科学的および医学生物学的知見と技術を集積統合し、これらの知識と技術を病因の解明と疾病の予防、診断、治療およびリハビリテーションに応用していくことを目的とする学際的学術である。」とあります。

う~む、難しい…。

どうしてそういう行動をとるのか、なぜそう感じたり考えたりしてしまうのか、何が影響しているのか、体の状態はどうなっているのか、それらを対策するにはどうすればよいのか、結果どうなったか…などなど、様々な分野を統合して治療や健康に役立てていこう、という感じでしょうか。


心と体が相互に影響し合うという考え方は、古代ギリシャ時代からあったそうです。

日本では、1961年九州大学に国内最初の精神身体医学研究施設(現在の心療内科に当たる)が設立され、心身医学のパイオニアと言われる池見酉二郎[いけみ ゆうじろう]先生が初代教授に就任されました。

第三代教授の久保千春[くぼ ちはる]先生(九州大学病院病院長~九州大学総長を務められました)とご縁があり、九州大学で開催された第1回日本統合医療学会(2008年)で古園井先生は『SMC行動医学療法』を発表されました。

その時はまだ私はSMCに出会う前でしたが、その後数回の九州支部大会などは、古園井先生の学会発表の資料作りなどお手伝いさせていただきました。


また古園井先生は、整骨院での治療と勉強会の主宰や気功の指導などの貢献から、平成29年度公衆衛生事業功労者厚生労働大臣表彰も受けられました。

【紙粘土で昔作った たまおクン 肉体・魂・霊が一体となった命のイメージ】


行動医学療法について話すとき、私はザックリ、

「行動医学とは『行動や意識を変えることで、病気や状況をよくしていこう』という医療の分野です」

と始めます。

そして、古園井先生が伝えてくださった『SMC行動医学療法』は、心と体だけではなく、霊魂やサムシング・グレート、理屈では説明できないものまで含めて対処する能力を作ろうとするのが独自のところだと思っています。

エネルギーや霊魂の話は、私には正直理解できないこともあります。

でも、直感で納得しているところもあり、そこ抜きに治療は成り立たないと私自身も考えます。


SMCはSelf Made Charisma(セルフメイド カリスマ)の略です。

セルフメイド=自分で作る、カリスマ=超能力、古園井先生は「勤勉超能力」とおっしゃっていました。

特殊な人だけの摩訶不思議な力ではなく、それは誰もが持っている力で、勤勉に開発することで使えるようになる能力。

植物の智慧と祈りで人を癒すヒーラーや、おばぁの予知能力、お母さんの「痛いの痛いの飛んでいけ~!」だってそういうことではないでしょうか。



友人によると、あちらの世界からのメッセージをキャッチできる方が、古園井先生の想いをこう伝えてくださったそうです。

「私は難しく伝えすぎた。伝えたかったのは『愛』です。」

と。

新しいことを教わることはできなくなりましたが、先生が送ってくださるエネルギーは今も変わらない気がしています。

先生の治療を受けて来られた沢山の患者さんたち、共にSMCを学んだ方たちも、それぞれの日常をがんばっておられることでしょう。

私の話は古園井先生のSMCそのものではありませんが、私に溶けてそこから芽吹いたものを育て活かしていくことが恩返しだと思い、私なりに伝えていくつもりです。

こうして語ることで、先生のエネルギーは離れたどこかでもきっと継がれていくと信じます。


古園井先生、ありがとうございます。


そして、読んでくださったあなたにも、ありがとうございます。

今日もほんわか

~心と体のほんわか手当て~ ケアサロン ほんわか 堤文子ブログ

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