膝痛と階段
自分や身近な人の身に起こって初めてわかることがあります。
私の場合、母が変形性膝関節症で膝が痛くなって知ったことが色々ありました。
まず、階段は上りより下りの方が大変だということ。
健脚であれば、階段は上りの方が疲れるので、上りエスカレーターがあると助かります。
でも、脚が悪い人にとっては、下りの衝撃の方が辛いのだそうです。
下りの着地では体重の6~8倍もの負担が膝関節にかかるといいますし、転倒のリスクも下りの方が大きくなります。
近ごろはバリアフリー化が進んでいますが、以前は上りエスカレーターしかない公共施設もありました。
スペースや経費の都合上仕方なかったのでしょうが、健康な疲れた人を想定した仕組みだなぁと思ったものです。
次に、階段の手すり。
構造的に片方にしか手すりがなかったり、ものが置いてあったり、人が立ちはだかっていたり・・・。
「使える方を使えばいいじゃないですか。」
と言う人がいましたが、そうはいかないのですねぇ。
具合によって、手すりが欲しい側が限定されることもあるのです。
杖は基本的に、痛い側と反対の手に持ちます。
その方が、痛む脚の負担を減らせて楽になるからです。
手すりの場合は人それぞれの足運びで反対の手とは限らないかもしれませんが、どちらでもいいとはいかないようです。
そして、もう1つ。
「脚が痛いのなら、エレベーター(エスカレーター)を使えばいいじゃない。」
という声。
確かにそうかもしれません。
でも、外出してなるべく動くことを大切なリハビリの機会にしていらっしゃる方もおられます。
「出かけたときくらい階段を使うようにしないと、どんどん歩けなくなるからねぇ。」
と伺ったことがあります。
ちなみに母は両膝とも人工関節になり、痛みから解放されて元気に出かけてまわっています。
87歳になりましたが、プールで水中運動して泳いでメンテナンスして・・・、我が母ながら偉いなぁと思います。
階段を下りるときはクルリと後ろ向きになって、手すりを持ってスタスタ下りていきます。
その身になってわかること、なったらなったでそれなりに工夫して暮らしていくこと、母を見ていると学びます。
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