歩幅
あけましておめでとうございます。
令和6年元日からの能登半島地震に、心よりお見舞い申し上げます。
今年は辰年。
元々「辰」(シン)という字は「草木の形が整った状態」を表していて、龍の意味はないのだそうです。
十二支に動物を当てはめた際のシンボルが「龍(竜)」、日本の干支の中で唯一架空の生きものですね。
龍のように空を飛び回れると素敵ですが、人間は基本自分の足で歩く生きもの。
今年はどう歩もうかと考えていたら、指揮者の広上淳一(ひろかみ じゅんいち、1958-)さんという方のお話を思い出しました。
広上さんは、レナード・バーンスタイン(1918-1990)のアシスタントを一時期なさっていました。
バーンスタインはアメリカの指揮者。
作曲家、ピアニストとしても知られており、『ウエストサイド物語』の音楽でご存知の方も多いかと思います。
広上さんがバーンスタインの元にいた29歳のとき、その才能を目の当たりにして、
「指揮者をやめたい。」
と言ったことがあるのだそうです。
するとバーンスタインは、
「音楽は好きか?
だったら、お前の足のサイズで歩き続けろ。
いつか、音楽がお前にほほえむようになる。
ただし、オレはお前の歳には1000倍勉強したけどな。」
と仰ったと。
その言葉がなかったら、広上さんの今のようなご活躍はなかったのかもしれません。
自分の足のサイズで自分の場所を歩く大切さを思います。
何事もひとっ飛びはないでしょう。
でも勤勉に歩き続けていれば、遥かな目的地へも届く。
もしかしたら、魔法の絨毯が迎えに来て、龍と空を飛んで高みへ連れて行ってくれることもあるかもしれません。
皆さまの1年が実り多きことをお祈り申し上げます。
どうぞお元気でお過ごしください。
今年もよろしくお願いいたします。
0コメント