リズムの力
この頃ドラマ『ガリレオ』の再放送で、こんな場面を観ました。
相互引き込み(同期)現象の実験
紐で吊った板の上に沢山のメトロノームを並べ、バラバラに鳴らし始めると、次第に全てが揃うというものです。
【参考】 メトロノームのシンクロ https://youtu.be/JWToUATLGzs
吊り橋を渡るとき経験された方もおられるかもしれません。
吊り橋の上では、揺れと無関係に歩こうとしても上手く歩けません。
歩く人々の歩調が自然に揃って、橋の横揺れと同期するようになります。
リズムには引き込む力があります。
ホタルの点滅も、アンコールの拍手も、最初はバラバラでも次第に同期していきます。
リズムに引き込まれると、一体感や心地よさが生まれます。
コミュニケーションに長けた人の自然な頷きリズムに引き込みまれ、ついつい「こんなことまで話しちゃった〜。」なんてことも。
好きな音楽のリズムに浸るのは気持ちいいですね。
運動でも仕事でも、上手くなってくるとリズムが出てきます。
匠の技には心地よいリズムがあります。
いかにも良いものが出来そうな波動が伝わります。
私たちの生活の中でも、リズムに乗って物事をやれているときは疲れにくい。
でもリズムに乗れないと、何だか捗らずくたびれてしまいます。
気持ちの問題でしょうか?
そうではないようですよ。
リズムがもたらす生理学的な効果が、医療の現場で用いられています。
パーキンソン病という病気があります。
体のふるえ、動作がゆっくりになる、筋肉がこわばり手足が動かしにくくなる、転びやすくなるなどの症状が特徴で、脳が体を動かすための指令を調節するドーパミンと呼ばれる物質が減ることによって起こります。
ドーパミンが不足すると、「内的なリズム形成障害」が出現することがあるそうです。
一定のリズムで左右の手や足を振って歩こうとしても、リズムが崩れて正しく動かすことが難しくなってしまう。
加速歩行になったり、すくみ足になったり。
そんな症状が、リズムを聴くことで緩和されるのだそうです。
音楽やメトロノームなどリズムを刻む音を聴きながらだと、出なかった足が動くようになったり、安定した歩行ができるようになったりする患者さんがおられるとのこと。
脳のリズムをとる働きが、外からのリズムで補われるのですね。
ちなみに、歩行や動きを改善するテンポには、♩=120(1分間に120回打つ速さ)が良いのだとか。
「ミッキーマウス・マーチ」「サザエさんのうた」「ドラえもんのうた」「負けないで」…なるほど、私もご機嫌に歩けそうな気がしてきます。
リズムに乗ると、心地よく効率よく安定して疲れ知らずに事が運ぶのは、こういうことなのでしょう。
リズムが人を引き込む力、ぜひ味方にして暮らしたいものです。
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