見る
英語の「見る」にあたる単語がいくつもあることに戸惑った思い出はありませんか?
look (意識的に)見る
see (自然に目に入るものを)見る
watch (動く対象に意識を向けて集中して)見る
特に、seeという言葉は面白いなぁと思います。
映画『アバター』では、印象的な台詞として使われていました。
「I see you.」
単純には「あなたが見える。」と訳されるのでしょうが、映画の中では「やっとあなたが理解できました。」というような場面に用いられたように思います。
見えなかったものがやっと見えた、あなたを深く理解することができた、あなたを認めます…、そしてそこには相手への愛と敬意が込められています。
サンスクリット語には「ダルシャン」という言葉があるそうです。
英語で言えばディープ・シーイング、つまり外見を超えたその奥にあるものを深く見ること。
インドでは、聖者や行者にお目にかかることや、ご開帳のようにご神体にまみえることもダルシャンというそうで、祝福をいただき、神徳にあやかるというような意味を持つそうです。
深く見るということは、❝そこ❞に触れるということなのですね。
外出から戻ると、愛猫がスリスリしてきます。
片手間に相手をしていると、ガブリとやられます(噛み癖が治らなくて)。
少しの間、「あなただけを見ているよ。あなただけの時間だよ。」と腹を据えて触れ合うと、満足して離れていきます。
ちゃんと自分を見てくれているかいないか、すぐに察知する・・・動物は正直です。
人間だって同じですよね。
目に映るものだけではなく、深いところを見て解って認めてもらうのは嬉しいし、そのベースには愛と敬意が感じられます。
物質だけではなく、そこに調和している非物質的なものまで感じようとする眼。
いつもいつもそうある必要はないでしょうが、ここぞというときにはそんな見方ができるように在りたいです。
そんな姿勢でいれば、目の前の現象だけに右往左往することも減りそうです。
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